キコレンジャーレッドの子どもでもわかる森林社会学講座② ー包括的な富と日本の森林①ー

包括的な富と日本の森林①

こんにちは。キコレンジャーレッドこと、森守会の郡司です。

前回、大胆にも森林社会学などという言葉を使って連載を始めてしまったのですが、気になって調べてみるとこんな本が...

いや、そんな大それたこと考えてるわけじゃなくて(汗)
社会との関係で森林環境を考えてみようかなって軽い気持ちで始めただけでして...。

と言いつつ、この本、ポチりました。
気になる方は読んでみてください。

絶版本みたいなので、中古在庫限りです。お早めに。

自然が減ってGDPが増える?

さてさて、前回、木を伐って家を作ればGDPは増えるけど、減った木の分は無視されているんだよって話をしました。

これが、家を作る程度ならばよいのですが、例えば、ジャングルを焼き払ってトウモロコシを生産するなんてなると話は違ってくるのです。

トウモロコシを生産した分はGDPが増えます。焼き払ったジャングルの分は計算上無視されます。

何が起こるかと言うと、ジャングルがなくなったところは地面に直接雨があたります。
泥水が地面を一気に流れて川に注ぎます。
川は濁り、魚が住めなくなり、一気に増水しては氾濫を起こすようになります。

また、木が燃やされると含まれている炭素が二酸化炭素となって大気中へ逃げていきます。
温室効果を助長し、地球の気温が上昇します。

気温が上昇したところに、木がなくなって植物が減った土地に地面を洗い流す雨が降り、砂漠化が進行します...

極端な例ですけど。

でも、トウモロコシの生産量が増えればGDPも増えるんです。

この傾向は、貧しい国ほど顕著なのです。

資産としての自然環境

工業生産やサービス業や金融業の苦手な国は、一次生産物で外貨を稼いでいます。
つまり、自然環境をお金に換えている。
そして、それを買っているのは、GDPが高く「豊か」と言われる国々だという構図が見えてきます。

「豊か」と言われる国は、自国の自然環境を犠牲にせず、貧しい国の自然環境を利用することで一次生産物を獲得している。
と言ったら言い過ぎでしょうか?

貧しい国はトウモロコシを売って豊かになっているのではなく、豊かさを売ってお金を得ているように見えてきませんか?

自然環境は社会経済から見ると資産なんです。

GDPで表現する豊かさって、「ちょっとおかしいな」って思えてきませんか?

パーサ・ダスグプタと言う人は、それを「包括的な富」という言葉で表現しました。

ダスグプタ・レポートの要約和訳版です。興味ある方は読んでみてください。

で、注目すべきは日本の森林です。

続きは次回に...

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